〜 10月31日の花 ヒメリンゴ(姫林檎)〜
花言葉 |
誘惑・名声・選ばれた恋・永久の幸せ・後悔 |
別名 |
イヌリンゴ・コリンゴ・ミカイドウ |
科・属名 |
バラ科・リンゴ(マルス)属 |
原産地 |
ヨーロッパ・アジア原産 |
状態 |
耐寒性落葉小高木 |
...........花のいわれ・特徴.........
ヒメリンゴはヨーロッパ〜アジア原産の耐寒性の落葉小高木です。リンゴは約4000年前から栽培されていたとされ、日本には1872年(明治5年)に開拓使により導入されました。
ヒメリンゴはセイヨウリンゴとズミの交雑種(犬リンゴの交雑種とも)ではないかと言われますが、はっきりとはしていません。小木でも見応が十分あり、主にこの花や実を観賞します。初夏の頃に初めは淡紅色からしだいに白色になり、5弁の花を樹幹いっぱいに咲かせ、秋に小さなリンゴの実をつけます。
実は直径2〜3pほどで、紅色から暗血色に変化し、可愛い実をたわわに付ける様子も見事で、長期間観賞することができます。リンゴとの交配種はちょっと酸っぱいですが生食もできます。小ぶりな実をつけるのがヒメリンゴですが、単なるリンゴの小形ではなく、違いは、ヒメリンゴはサクランボのように柄が長くてお尻が丸いのですが(写真右2番目)、リンゴは柄が短かくてお尻が窪んでいます(写真右下)。
何よりも満開時に咲かせる白い花(写真右3番目)が美しく、鑑賞用に作られているのでコンテナ植えにも向き、盆栽に仕立てて実つきの様子を楽しむこともできます。またヒメリンゴは受粉樹としても利用されています。樹高は50cm〜5m。開花期は5〜6月で実熟期は9〜11月、鉢の市販期は3月と9〜10月頃です。
属名の「マルス(Malus)」はギリシャ語のリンゴ「malon(マロン)」にちなみます。一般名は実が小さくてリンゴに似ていることから「ヒメリンゴ(姫林檎)」で、別名は「イヌリンゴ(犬林檎)」、「ミカイドウ(実海棠)」とも呼ばれます。また「リンゴ(林檎)」は漢名である音読みの転化とされます。英名は「※Plumleaf Crabapple(プラムリーフ クラブアップル)」です。
(※「plumleaf crabapple」は中国から導入されたイヌリンゴとヒメリンゴが異名同種とする説での英名で、中国から伝わったイヌリンゴと北海道のエゾノコリンゴの雑種とする説での英名はありません。) |
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ギリシャ神話「争いのリンゴ」
神々が一同に集まった結婚式に、争いの女神エリスは招待されませんでした。エリスはそれを恨み、婚礼の席に「もっとも美しい女性へ」と書かれた黄金のリンゴを投げ込みました。神々の王ゼウスの妻ヘラ、戦いと知恵の女神アテナ、愛と美の女神アフロディテの神たちは、自分が最も美しいと信じているがゆえに、そのリンゴを求めて争いを始めました。困ったゼウスは自ら判定するのを避け、トロイの美しい王子パリスに審判させることにしたのです。
すると女神たちは買収や根回しを繰り広げ、ヘラは富と力を、アテナは巧名と手柄を、アフロディティは世界一の美女を与えると約束しました。結果、パリスはアフロディティを選び、リンゴは彼女のものになり、パリスは約束どおりギリシャ第一の美女ヘレネを与えられました。のちにトロイ戦争が起こりましたが、このときの確執が引き金になったといわれます。
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...........花の栽培.........
樹勢が強く耐寒性もあるので育てやすい植物です。日当たり水はけのよい場所が適し、厳寒期を除く11月下旬〜3月に、堆肥をたっぷり混ぜて高植えにします。
接ぎ木苗の接ぎ口を地表に出して地上部は半分に切り詰めます。肥料は2月、6月、9月に株元に有機質の配合された化成肥料を施します。水は表面が乾いたらたっぷりと与え、夏に水が不足すると実がつきにくくなるので注意します。
剪定は、若木のうちはあまり切り詰めずにしっかりした骨組を作ります。花芽が短枝につくので、伸びた基部を少しだけ残して切り取ります。 |
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