小さい庭やベランダなどの主流となっているのがコンテナガーデンです。
コンテナガーデンの良さは初心者でも失敗がなく、
テラスやデッキなどの土のないところで草花を楽しめることです。
コンテナの素材として、素焼の鉢や木製のもの、またアイアンや
ブリキや石などがあります。少し変わった素材として切り株のコンテナが
あります。古木は不思議とどんな場所においても溶け込み、
独特の持ち味があり、ひと味違った趣を楽しめます。
左の写真は切り株を利用したコンテナです。
長く鑑賞できるものとして、また日陰でもよく育つ
アイビー・ハツユキカズラ・ヒューケラ
マーマレードを植えてみたものです。
耐寒性もあり、あまり水やりの必要がなく、
手がかかりません。ヒューケラマーマレードの
淡いピンクの葉が切り株によくマッチしています。
右の写真は、朽ちてしまった木の根株に、多肉植物を植え、
切り落としたクスの木の太い枝に取り付けたものです。
木の根株は園芸店で扱っているところもあるようですが、
この根株は、旅先の植木市で購入しました。
今回は、多肉植物を植えた切り株のコンテナをご紹介いたします。
切り株を使った多肉植物植え
【用意するもの】
・木の根株(木の根ならどんな種類でも)。
・木の幹(長さ70pくらいのもの)
・板(長さ45p、奥行き35p。)
・用土:赤玉土3・日向土(または鹿沼土)3・
バーミュキライト3・腐葉土1・水ゴケ。
・多肉植物:火祭り・おぼろ月・ブロンズ姫・新タマツヅリ・
・月兎耳・オーロラ・白牡丹ほか。 |
@写真では根株を横にしてありますが、今回は縦向きに使います。
まず根株の向きですが、植物が植えられる部分を上向きにして、
大きな穴などが開いていた場合には、ネットなどでふさいでおきます。写真【1】
A切り株を取り付ける木の幹を用意します。写真【2】
B木の幹を安定させるための板に、ペンキを塗り、板の裏側から幹に4か所、
ネジで固定します。写真【3】
C切り株に用土を入れます。水ゴケを敷いた上に上記の用土を混ぜ、
根株の7〜8分目まで入れます。
D次に多肉植物を 、色や大きさを考えながら植えていきます。
縦植えにするとどうしても据わりが悪くなるので、水ゴケを詰めたり、
写真にありますように、サドル(ホームセンターで購入)のようなもので
多肉植物を留めておきます。写真【4】
E植込みが終わったら、全体のバランスを見直し、隙間がありすぎる
場合は多肉植物を追加します。【5】
F植え終えた根株と幹に、それぞれL字型の固定金具を使って裏側から
ネジ止めします。【6】
G幹の上に、季節の植物を植えた鉢を載せてできあがり。【7】
最近はコンテナの種類も増え、インテリア性を備えたものが手頃な価格で
手に入ります。古木でなくても、高さや大きさの異なるコンテナを組み合わせたり、
寄せ植えなどでボリューム感をだせば、豪華になり華やかさが増します。
特に玄関は家の顔です。人の出入りが多い場所はとても管理がしやすいので、
玄関にはコンテナがお勧めです。
季節ごとにコンテナの中身を変えれば飽きることもありませんし、
地植えより管理が楽なので、忙しい方にはコンテナガーデンがピッタリ。
また玄関は庇があるので、ハンギングバスケットを吊るしてもステキですし、
雨に弱い多肉植物にはよく適しています。
寄せ植えで大変なのは開花期がズレてしまうことですが、その場合、
開花期の違う花をたくさん植えてみることで、花が咲き終わって枯れても、
次の花が咲いてくれ、長い間花を楽しめます。
アイビーやハツユキカズラなどの常緑の植物をいっしょに植えておくと、
コンテナの中が寂しくなることはありません。
コンテナにふさわしい土は、
コンテナ植えの場合は、花壇と違い注意が必要です。花壇の土をコンテナで使用すると、
すぐに目詰まりを起こしてしまいます。
コンテナ植えの土の条件は、水やりしたときに表面にたまらずスッとなじみ、
土粒の間に空隙があって、乾いた状態でも固まらないことです。
一般的には、赤玉土5、腐葉土3、バーミキュライト2が基本的な配合です。
大切な花がら摘み
コンテナで植物を育てる場合は、こんもりと美しい姿にするため、花が咲き終わったら
こまめに花柄積みをします。花がらを摘まないと株そのものが弱り、
放置したままにしておくと、灰色カビ病が発生することもあります。
またパンジー・ペチュニア・四季咲きベコニア・マリーゴールドなどは、
花後すぐに実を結びやすいので、大事な栄養を実の方に取られてしまいます。
株姿をよくするための摘芯
ニチニチソウ・インパチェンス・四季咲きベコニアなどは、枝先をこまめに摘芯し、
分枝を増やします。
また、キクやカーネーションなどの、1本の主枝で楽しむ植物は、わき芽を切除
(芽かき)をすれば、脇芽によけいな栄養を取られず見事な花を咲かせます。
水を与える目安
植物によって異なりますが、水やりの目安は、鉢の中の水分があらかた出てしまい、
用土のすみずみまで空気が入り、根が十分呼吸作用を行い、ふたたび水分を
欲するときがベストタイミングです。
朝晩欠かさず水を与えていると、根が窒息して根腐れを起こしてしまい、
また肥料成分も流れ出てしまいます。ですので、ある程度土を乾かす必要があるのです。
大多数の植物は、湿った状態と乾燥した状態との繰り返しを好みます。
水を与える場合は、少しずつ与えるより、一度にたっぷりと与えます。
これは水分補給のほか、鉢の中の古い空気を追い出し、用土のすきまをすべて
水で埋め尽くすことで、あらたに新鮮な空気がすみずみまで鉢の中に吸い込まれる
ようにするためです。
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【1】
長さ40pくらいの根株。 |
【2】
根株を取り付ける木の幹
長さ70pくらい |
【3】
固定板
横の長さ45p、奥行き35p。 |
【4】
サドルで固定した多肉植物。 |
【5】
根株に植え込んだ多肉植物。 |
【6】
L字型の金具を使い、
木の幹に取り付けた根株。 |
【7】
鉢を載せた幹 |
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