ウォーキングは、主に健康の保持増進のために自然の中で行う運動で、いつでもどこでもできます。
お金もかからない手軽さがうけ、公園や街中などで多くのウォーキングを楽しむ人たちを見かけます。ウォーキングによる健康の効果は、ダイエットや生活習慣病の予防やストレス解消、老化防止、ボケ防止などのさまざまな健康効果があります。
生活習慣を見直し、ウォーキングを通して、健康維持に役立てませんか。 |
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内臓脂肪の蓄積は、健康を脅かす生活習慣病の引き金となります。特に、糖尿病や高脂血症は肥満と密接な関係にあります。若いときは基礎代謝が活発なため、脂肪がどんどん分解して消費しますが、年齢が上がるにつれ基礎代謝が低下するので、分解がしにくくなり肥満につながっていくのです。
ダイエットに効果的な有酸素運動は、ウォーキングが最も適しているといわれています。ウォーキングをすることで、余分な脂肪を燃やしてくれ、皮膚の新陳代謝を活発化し、老廃物をもうながし、健康に貢献してくれるのです。
糖質を燃やす強くて激しい運動は、心肺機能を高めるのには有効ですが、体脂肪を燃焼させるには、減量効果のあるウォーキングが理にかなっているのです。ウォーキングは、糖質と脂肪が半々の割合で燃焼しますので、長く歩くほど脂肪の燃える率が高くなります。具体的には、30分歩いて10gの体脂肪が燃焼するといわれています。
糖尿病と高脂血症は肥満との関係が大きいので、ウォーキングによっての減量が効果的です。 |
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生活習慣病とは、間違った生活習慣によって、糖尿病・高脂血症・高血圧・高尿酸血症など、生活習慣が主な発症原因であると考えられます。
特に、高脂血症(脂質異常)や糖尿病、高血圧は自覚症状が現れにくいので、知らないうちに悪化しやすい、といわれています。
ウォーキングを行うことで体内に大量の酸素を取り込み、取り込んだ酸素はからだの細部まで運ばれ、それによって血液の循環がよくなり、循環器全体が活性化するのです。内蔵のはたらきも活発になり、生活習慣病になりにくい健康なからだがつくれるわけです。 |
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日常、多くの人はいろいろなストレスを抱えて過ごしています。ストレスが過剰な状態になると、自律神経のコントロールが効かず、からだが不調をおこします。症状に個人差がありますが、頭痛、耳鳴り、動悸や息切れ、不安感や免疫力の低下、睡眠障害などがあげられます。
ストレスには、ウォーキングのような有酸素運動が適し、脳が適度に刺激され、また歩くことで脳内物質のエンドルフィン(※)が分泌され、それがリラックス効果をもたらし、ストレスの解消につながるわけです。
運動後は適度な疲労感を感じるので、副交感神経が優位になり、心地よい睡眠に誘われます。
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『※エンドルフィン⇒哺乳類の脳や下垂体に存在するモルヒネ様作用を持つ ペプチド。内因性モルヒネ様物質 (広辞苑より)』 |
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特に高齢になると足腰が弱ってきますので、健康を考える上で、ウォーキングなどの運動を日常に取り入れることで、筋力をつけ反射神経を鍛えることができます。
また、日光を浴びるので、ビタミンDが合成されカルシウムが骨に吸収されやすくなり、骨の密度が高くなって骨粗しょう症の予防にもなります。 |
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大脳と足の筋力は神経によって結ばれているので、足の筋力を活発に動かすことで脳に刺激を与え、血のめぐりがよくなり脳が活性化されます。
特に足腰の筋力が弱くなってくる中高年には、ウォーキングなどの運動を習慣づけ、脚力の低下を防ぎます。
運動をしないと確実に体力は衰えます。健康を維持するためには何かしらのスポーツが必要ですが、手軽に行えるのは副作用のない、良薬としてのウォーキングがお薦めです。 |
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参考資料
「あるく ウォーキングのすすめ(暮らしの手帖社)」宮下充正 著
「歩くことからはじめよう(リヨン社)」黒田恵美子 著
「中高年の生き生きウォーキング(NHK出版)」青木純一郎 監修・指導 |
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他のスポーツでは運動中あまりおしゃべりできませんが、同じ仲間や友達どうしで会話しながら運動できるのはウォーキングです。日頃会話が少なくなった家族に、言えなかったことも歩きながらだと自然に話せます。
歩きながら五感を使って、季節の移ろいをからだ全体で感じ取ります。今まで気付かなかった新たな発見をしたり、自然が感じられる景色のよいところでリラックスし、鳥のさえずりを楽しみます。ウォーキングで健康を維持しましょう。 |
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