〜 12月18日の花 ゲッケイジュ(月桂樹) 〜
花言葉 |
栄誉・勝利・栄光・名誉・輝ける未来・私は死ぬまで変わりません(葉)・規律、教示(実)・功労の報い(花) |
別名 |
ローリエ・ローレル・ベイリーフ・トキワクロモジ |
科・属名 |
クスノキ科・ゲッケイジュ(ラウルス)属 |
原産地 |
地中海沿岸原産 |
状態 |
常緑中・高木 |
...........花のいわれ・特徴.........
ゲッケイジュは地中海沿岸原産の常緑の中・高木で、日本には明治時代(1905年)にフランスから導入され、記念樹として普及しました。4月〜5月に黄白色で先が4裂した小花(写真右2番目と右下)が多数集まり花房を形成して咲き、10月頃に黒紫色に熟した約8oの楕円状球形の実が成ります。
幹はオリーブグリーンで赤みを帯び、葉は5〜15pの長楕円形で先が尖り、濃緑色の皮質(写真左)で縁が波打っています。このゲッケイジュの葉には香り成分であるシネオールが含まれ、もむとよい香りがして、葉を乾燥させたもの(写真右3番目)はローリエ、ローレル、またはベイリーフと呼ばれ、シチューやカレーなどの料理の香りづけやピクルスなどに用いられるハーブの一種です。
ベイリーフを入れたティーには発汗作用や健胃に優れ、ハーブバスとしては神経痛や冷え性として、また低刺激の殺虫剤、あるいは染料としても利用されます。6〜7月頃に、ゲッケイジュを小枝ごと切り取り、日陰に吊るすだけなので家庭でも容易に作ることができます。
ゲッケイジュは、古代ギリシアでは太陽神アポロンの木と尊ばれ、競技の勝者や詩人・音楽家に、この木の小枝や茎で編み込んだ「月桂冠」を与えていました。現在でも平和のシンボルとして扱われています。雌雄異株の樹木で、日本には雌木は少なくさし木で増やします。公園や庭園に植えられ、生け垣やトピアリー、シンボルツリーとして利用され、またリースの素材としても活躍ています。樹高は5〜10mで開花期は4〜5月頃です。
属名の「ラウルス、またはローラス(Laurus)」は、ケルト語を語源とするラテン語の「laur(緑)」の意で、ゲッケイジュが常緑であることに由来されます。和名の謂れは、日本でいわれる月のウサギのもちつきは、中国では巨大な「桂」の「樹」を切り取る男性に見立てた「月の桂の樹」とされる中国の伝説に因み、この木が輸入された当初に、香りの連想から漢名をそのまま音読みして「ゲッケイジュ(月桂樹)」になったとされます。
別名は「トキワクロモジ(常盤黒文字)」で、英名は「Laurel tree(ローレル ツリー)」、または「 Bay tree(ベイ ツリー)」、「Sweet bay laurel(スイート ベイ ローレル)」です。 |
ギリシャ神話
アポロンは、河の神(ラドン河神、またはペネイオス河神とも)の娘ダフネを見たときその美しさゆえに心を奪われ、恋をしてしまいました。けれどもダフネは一生処女のまま生きていくという誓いを立てていたので、彼の愛を拒絶しました。アポロンが執拗にダフネに近づくため、彼女は父の河神に頼み、アポロンに捕まる寸前にゲッケイジュに変身したのです。アポロンは心から悔いて、今まで用いていたオークの葉の代わりに、ゲッケイジュを身にまとうことを決め、また、加護を得ようとする者も同じようにしなければならないと宣言しました。
このような事態に至ったのは次のような経緯があるからといわれます。
アポロン神は自分より細い弓を使うエロスを嘲笑ったことから、エロスの復讐に遭い、エロスの放った2本の矢の1本である黄金の矢はアポロンの心臓を貫き、もう1本の鉛の矢はダフネの心臓を貫いたため、アポロンがどんなにダフネに恋心を抱いても、彼女は逃げ惑う宿命になっていたとされます。
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※参考書「花ことばー起源と歴史ー(八坂書房)」より。 |
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...........花の栽培.........
暖地性の植物ですが、東北南部くらいまでは植栽が可能です。十分暖かくなる4月中旬〜5月、または9月に、日当たり水はけがよく、腐植質に富んだ場所に植えつけます。肥料は2月に、油かすに粒状化成肥料を等量混ぜ、根元に2握りほど施します。
剪定の適期は6月または11月〜12月で、強い剪定や刈り込みができるので、円柱形やスタンダード仕立て、玉仕立てなどの樹形に整えます。 |
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