〜 4月19日の花 ヤグルマギク(矢車菊) 〜
花言葉 |
繊細・無邪気・優雅・優美・愉快・幸運・幸福・感謝・清楚・上品 |
別名 |
ヤグルマソウ・コーンフラワー・セントウレア |
科・属名 |
キク科・ケンタウレア(ヤグルマギク)属 |
原産地 |
ヨーロッパ東・南部〜小アジア原産 |
状態 |
一年草 |
...........花のいわれ・特徴.........
ヤグルマギクはヨーロッパ、小アジア原産の耐寒性一年草で、ヨーロッパでは古代エジプトの王墓に添えられていたとされる最古の栽培種のひとつです。日本には明治の中頃に渡来し、切り花や花壇で栽培されているなじみ深い花です。花色の豊富な「C・スイートサルタン」、鮮黄色の「C・イエローサルタン」、大輪種の「C・アメリカヤグルマ」などがあります。
花径3〜4pほどのブルーやピンクの花が中空に浮かぶように咲く姿は、繊細で爽やかな美しさがあります。色は他にも紫や白・紅・紅紫・ぼかしで一重・八重咲きなどがあります。葉は長披針形で、基部葉は倒卵状披針形で上部の葉は羽状に中裂から深裂に互生し、茎や葉はともに白い産毛密生しています。見た目は可憐な花のように見えますが意外に丈夫で、茎は鎌の刃を傷めてしまうほど強いと言われます。
ヤグルマギクの深青は、あらゆる青い花の中でも最も完全な青(写真右3番目)と評価されているそうです。主に切り花用には高性種を用い、花は小さくても花立ちが多い矮性種は花壇や鉢植えに利用され、ヤグルマギクの乾燥した花弁は長く持つのでポプリとし人気があります。また花弁を煮出した染液で染めると、花色にも負けない青系統の色が出るそうです。エジプトでは青い花が魔除けになるとされ、ツタンカーメンの棺が発見されたとき、埋葬品と一緒にこの花が形を崩さずに残っていたそうです。草丈は20〜100p。花期は4〜6月で鉢の市販期は3〜5月頃です。画像は「ブラックボール(写真右下)」です。
属名の「ケンタウレア、またはセントウレア(Centaurea)」はラテン語の「ケンタウルス(半人半馬の怪物)」に由来し、ギリシャ神話ではケンタウレスの傷を癒す薬草として登場しています。麦畑によく生えていたことから、英名は「Cornflower(コーンフラワー)」です。また独身者がこの花を襟元に付ける習慣があったので「Bachelor's button(バチュラーズ ボタン)」とも言われ、ほかにも「Bluebottle(ブルーボトル)」、「Knapweed(ナップウィード)」などとも呼ばれます。
またヤグルマギクはドイツ皇帝カイゼルの愛した花で、「カイゼル(皇帝)の花」(下記に掲載)と呼ばれ、一時期はドイツの国花とされたこともあります。和名は端午の節句が近づくと開花し、この花姿を鯉のぼりの矢車「支柱の先に矢の形の羽根をつけた風車(写真上段の右)」に見立て、「ヤグルマギク(矢車菊)」と名づけられました。園芸上は「ヤグルマソウ(矢車草)」と呼ばれていますが、ヤグルマソウはユキノシタ科の多年草の名前でもあるので注意が必要です。
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カイゼル「皇帝」の花
19世紀の初め、ナポレオンがプロシア(現在のドイツ)に侵攻していったとき、ルイーズ皇后は逃げまどい、王子たちを連れて穀物畑に身を隠しました。そのとき皇后は王子たちを慰めるために、ヤグルマギクで花冠を作ってやりました。後に王子のひとりはウイルヘルム皇帝となり、この花を皇帝の紋章としたことから「皇帝の花」と呼ばれるようになりました。その後、初代ドイツの皇帝となったため、ヤグルマギクがドイツの国花となったのです。宮廷の庭も、一面にこの花が咲いていたそうです。
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...........花の栽培.........
発芽力が強いので、苗床に、赤玉土小粒の用土に粗めにすじまきし、水切れに注意します。寒さが強いと葉を傷めるので、冬の寒風に当たらないようにマルチングや風よけをします。
苗のうちは徒長しないように肥料分を控え、日当たりをよくします。本葉が2〜3枚になったらポットに鉢上げして育苗し、本葉5〜6枚の頃に定植します。 |
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