〜 5月5日の花 スズラン(鈴蘭) 〜
花言葉 |
幸福が訪れる・純潔・純愛・希望・繊細・愛の告白・繊細・コケットリー・甘美さ・慎み深さ・よみがえった幸せ・聖母の涙 |
別名 |
ドイツスズラン・キミカゲソウ・リリーオブザバレー・ミュゲー |
科・属名 |
ユリ科・コンバラリア(スズラン)属 |
原産地 |
ヨーロッパ・アジア・北アメリカ原産 |
状態 |
多年草 |
...........花のいわれ・特徴.........
スズランはヨーロッパ、アジア、北アフリカ原産の多年草です。日本にも自生(C・ケイスケイ)していますが高地や寒冷地に生えるため育てにくく、主に栽培されているのは国産種よりも一回り大きく、香りも強いドイツスズラン(C・マヤリス)です。春に長さ10〜20センチの大葉を2〜3枚出して、その間から花茎を伸ばし、文字通り鈴のような花が下を向いて穂状に咲きます(写真右下)。花後に球形の果実を付けて赤く熟します(写真右3番目)。
葉に班が入るものや淡いピンク、八重咲き種などがあり、清楚な姿と芳香をもち、世界中から愛されている花です。こんな可憐な花でありながら有毒植物で、血液の凝固作用や強心作用が強く、この成分を多く口にすると死に至ることもあるといわれます。草丈は15〜20p。花期は4〜6月で鉢の市販期は1〜6月頃です。
イギリスやフランスでは5月1日をスズランの日と呼び、この日に愛する人の幸福を願ってスズランの花を贈る風習があり、この花を「メイ・リリー(5月の花・5月のユリ)」と呼び、スズランの花を贈られた人は「必ず幸せになれる」と言い伝えられています。幸せと純潔の象徴でもあるスズランは、結婚式の花嫁のブーケとしても使われています。香水でも有名で「聖なる香り」と言われ、想いを寄せている人にふりかけると自分になびいてくれるという言い伝えもあります。
属名の「コンバラリア(Convallaria)」は、ラテン語の「convallis(谷間)」と「majalis(5月開花)」という意味で、花の自生地にちなむそうです。和名はランとついていますが、この花はラン科ではなくユリ科の植物で、花の形が鈴に似ていることから「スズラン(鈴蘭)」と名づけられました。別名は、花をかばうような大きめの葉に寄り添うように咲くことから「キミカゲソウ(君影草)」と呼ばれます。この花は小輪で香りも弱いのですが、北海道に自生している美しい花です。古くは「ヤチヨソウ(八千代草)」という名もあったそうです。
英名は「Lily of the valley(リリー・オブ・ザ・バレー)」、「谷間の百合、または谷間の姫百合」と呼ばれています。またヨーロッパでは聖母マリアの花とされ、「聖母の涙」ともいわれます。フランス語では「麝香(ミュスク)」のようなよい香りをもつことから「muguet(ミューゲ、またはミュゲー)」です。 |
サセックス地方の伝承
森の守護神で、純潔で若くたくましい青年セントレオナールは、ある日、森の中で住民を恐怖に陥れている恐ろしい毒竜に襲われました。3日3晩必死に戦い、4日にようやく毒竜を倒しましたが、セントレオナールもかなり深い傷を負ってしまい、勝利を喜んだ森のニンフたちでしたが、彼の痛々しい姿に心を痛めていました。すると、彼の傷口から流れ出た血が地面に吸い込まれ、そのあとに白いスズランがまるで彼の戦いぶりを讃えているかのように咲きだしたと伝えられています。
今でもサセックスにある聖レオナルドの森には、一面のスズランの花が咲いているとのことです。
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...........花の栽培.........
春や秋にはよく日が当り、夏は半日陰になる場所を選び、乾燥を嫌うので湿り気のある土に根を広げるようにして浅植えにします。地下茎の先にできる芽は3年目に花芽になるので、今年咲く大きな芽と中くらいの芽は浅植えにし、小さな芽は深植えにします。
花が終わったら葉を残して肥料を施し、株を育てます。株分けは休眠期の晩秋から早春が適期で、新芽に10pほどの地下茎をつけて切り分けます。 |
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