〜 9月16日の花 リンドウ(竜胆) 〜
花言葉 |
正義・貞節・誠実・さびしい愛情・的確・悲しんでいるあなたを慰めたい・苦悩・あなたの夢が甘美なるものでありますように・私は天国を望みます |
別名 |
オコリオトシ・トウリンドウ・ゲンチアナ・エヤミグサ・ササリンドウ |
科・属名 |
リンドウ科・リンドウ(ゲンチアナ)属 |
原産地 |
日本・サハリン原産 |
状態 |
多年草 |
...........花のいわれ・特徴.........
リンドウは本州や九州、奄美大島、サハリンに分布する多年草です。秋も深まったころ、野山の草原や林間などでひときわ目をひくのがこの青紫色の花を咲かせるリンドウで、キキョウと並んで日本の秋を代表する美しい花のひとつです。
リンドウは種類が豊富でよく栽培されているのは、切り花などの、葉は白粉を帯びて高性で早咲きの「オヤマリンドウ」や、花付きがよい「エゾリンドウ」、また鉢花には「シンキリシマリンドウ」の矮性種や、ピンクの「イシヅチリンドウ」などがあります。リンドウの葉は比較的細長く対生し、つぼみはらせん状に巻くように付き(写真右3番目)、花は筒状の釣鐘形で茎の上部の葉腋に数個〜20個ほど付き、花びらの外側が少し褐色になっています。
秋から初冬にかけて鮮やかな青紫ほか、ピンク・白・ラベンダー・黄・覆輪などの花を咲かせます。鉢花として用いられているものには、春や夏に開花するものもあります。草丈は20〜100p。開花期は9〜11月頃で、鉢の市販期は8〜10月、苗は春・秋です。画像は「G・クマガワリンドウ(写真右上)」、「G・ガビサンリンドウ(写真右下)」です。
古代エジプトでは殺菌剤、健胃薬、強壮剤として用いられたとされます。現在でも薬用として栽培され、乾燥させた根は苦味健胃剤として生薬の「リュウタン(竜胆)」となり、消化不良や食欲不振、腹痛などの原料となっています。これは、西洋で用いられていた「ゲンチアナ」に代わるものとして明治以降に使用されるようになったそうです。また日光の二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)では、この根の効用を発見したという「二荒縁起(下記に記述)」の謂れがあり、霊草として扱われているそうです。
属名の「Gentiana(ゲンチアナ)」は、紀元前(180〜67年)、アドリナ海沿岸のイリュリア(イリリア)王であった「ゲンティウス(Gentius)」が、この植物の薬効を始めて発見したことに由来するとされます。和名の「リンドウ」は漢字で「竜胆」と書き、漢方薬の「竜胆」からきたもので、この根を噛むと「熊の胆」以上の苦みがするので、その苦さを最高位の竜に喩えて「竜の胆」とされます。または音読みの「竜胆」が訛ってリンドウと名付けられたともいわれます。
別名は「ササリンドウ(笹竜胆)」で、平安時代の「和名抄」には「エヤミグサ(疫病草、瘧草)」という古名でこの花のことが解説されています。英名は「Gentiana(ゲンチアナ)」です。 |
二荒縁起の謂れ
昔、修験者の役小角(えんのおづぬ)が日光の山奥で山道を歩いていると、一匹のうさぎが、雪の中からリンドウの草を掘り出してはなめているのに気付き、不思議に思いうさぎに尋ねました。するとうさぎは、主人が病気なのでこの草を探していたのだと答え、走り去っていきました。そこで役小角も試しにその草の根を掘り取り、病人に飲ませてみると優れた効き目があったので、これは「二荒神のお告げに違いない」と思い、それ以来、日光ではリンドウが霊草になったということです。 |
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...........花の栽培.........
光線不足だと花が開ききらずに終わるので、日当たりのよい場所を選びます。真夏は西日の当らない、涼しい半日陰で管理し、表土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。冬は地上部が枯れますが、根は生きているので、ときどき水を与えます。
花に水を直接かけると花が閉じるので注意します。鉢で育てる場合、4〜5月に2節ほどを残して茎を切り戻すと枝数がふえ、丈低く咲かせることができます。 |
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